前回は、人参を切ると涙が出る、をみてみました。
今回は、自分自身でいる、をみてみます。
最近、落語家の方とお話しさせていただく機会がありました。
普段あまり触れ合うことのない世界なので、おもしろいお話しをたくさん聞かせていただきました。
色んな所に呼ばれて行って落語をされるそうですが、いつもいつもみんなが静かに聞いてくれるということはなく、花見の席に呼ばれる時などはみんな酔っぱらっていて誰も落語を聞いていないこともある、ということでした。
舞台に立つお仕事も大変だなぁと思いながら聞いていたのですが、その落語家の方は、普段からのそのための練習はしているので平気なんです、とおっしゃっていました。
どんな練習なんですか、と聞くと、わざわざ料理などをして人が慌ただしくしているところや聞いている人にお菓子の袋などをガチャガチャといわせて気に障りそうな音をわざと出してもらって、やりにくいと思えるようなところで練習をしているそうです。
とても実践的なんだな、と思いました。
言われてみれば、余興として呼ばれて行って落語をする時に、学校で校長先生の話を聞くようなシーンとした状況はまず無いんでしょう。
客席で何かをこぼしたり、子供が急に声を上げたり、人が移動したりするのが日常的なようです。
普段静かなところだけで練習していて、急にそんなところへ出て行ってやることになったら、ちょっとしたことで頭が真っ白になってしまうかもしれません。
もし、自分がその舞台に上がったらということをイメージしてみると、ちゃんと自分の話を聞いて欲しいと思いがある時に聞いてもらえないと悲しい気持ちになったり、大きな声で私語をされると腹が立ったりしそうです。
落語を覚えて上手にできるということと同時にそう言う逞しさも必要で、その逞しさがないとどんなに上手に落語ができても活かされないんだなと思いました。
この話を聞いていると、ふと自分がセッションでやっていることと同じだなという思いも出てきました。
いつもいつも緊張していたり、リラックスするのが難しく感じている人には、まず、どんな場所でもいいし、どんな設定でもいいので、自分が一番自分らしく居られる場所をイメージの中で見つけていくということをよくやります。
それは、小さい時にやさしい親に抱っこされていた時のことを思い出すことでもいいし、親友とケーキを食べている時でもいいし、草原に立つ大きな木の木陰に寝ころんでいるイメージでもいいので、身体の力が自然と抜けてリラックスできるイメージを見つけていきます。
さっきの落語で言うと、誰にも邪魔されないところでは、うまく落語ができるという段階ですね。
そして、いつでもそこへ行けば、緊張から解放されてリラックスできるというところから、今度はこれまでは緊張して自分らしくいられなかった環境でも、リラックスして自分らしくいられるように練習して行きます。
例えば、草原で1人で寝ころんでいた時にはリラックスできていたけれど、そこに大人の男の人がいるイメージをすると、緊張感が出てくるという時には、自分の中で何が起こっているのかを見ていきます。
多くの場合、過去の条件反射が起こっているので、それが起こらないようなことをしていきます。
実際のシーンでも、イメージの中でも設定を変えると感じるものが変わりますので、その変えた設定と感じるたものの変化を照らし合わせていけば、そこにある関係が見えてきます。
結果的に、少々の状況や環境の変化にも動じることなく自分らしくいられるようになっていけるというようなことをやっていきます。
落語の場合は、過酷な環境に慣れておくことで、舞台の上で慌てないで済むんでしょうね。
まわりの状況に引っ張られることなく、自分の落語を仕始めると今度は周りが引き込まれ始めるというようなことが起こっていくんだろうと思います。
いわゆるオーラがあると表現される状態なのかなと思います。
能力を発揮する際には、落ち着いて自分自身でいられることがとても大事なんだと改めて確認する機会となりました。
どんな素晴らしい能力を持っていてもそれを発揮できなければ、仕方ないですね。
本番に強いと言われる人達は、このあたりができる人なんでしょうね。
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