前回は、「すいません」から「ありがとう」、をみてみました。
今回は、不意に疲れてると気づく時、をみてみます。
真面目な人ほど、役割や義務をきっちり果たそうとしているように思います。
役割や義務をきっちり果たそうとしている時に感じているものをみていくと、あまり心地良いものはなく、きつさを感じながらも「やるべきこと」をやり遂げるべく、しんどくても辛くても自分に厳しく頑張っているように見えます。
時には、自分の身体や心が疲れていることにも気づいてないということがあります。
自分のことよりも「やるべきこと」の方が優先順位が高くなっているので、「やるべきこと」に意識が向いている時には大きな病気でもしない限り自分の状態にはなかなか気づけないのでしょう。
「自己犠牲」を美徳とする人にとっては、まじめに人のために頑張って偉いと見えるかもしれませんし、本人も自己犠牲的であることに気づいていて、一定の評価をされることを喜んでいるかもしれません。
ただ、身体や心は酷使されて、休まる暇がないということが同時に起こっているように思います。
また、自分では自己犠牲的であるという認識がない時もあります。
しかし、日常の様子をよく見ていくと、人より先に休んだり、長く休憩していると罪悪感が出てきたり、楽をしているとサボっているような気持ちになって落ち着かなくなっていたり、楽をしているよりはむしろ、ある程度忙しくてしんどいくらいの方がどこか落ち着く感じがするということが多く見受けられることでわかります。
自分は一生懸命頑張っているのに評価されないとか、自分は相手のことを気遣って相手の分もやってあげると、どんどんその人の仕事を押しつけられて好意でやってあげたのにそれをするのが当たり前のように思われてしまう、感謝されても良いと思うのにむしろ良いように利用されてしまうという話しを聞くことがあります。
こういう方達のお話を聞いていて、共通しているように感じるものに、自分を感じていないということと自分を価値あるものとして扱っていないということがあります。
その時々に自分は心地良く感じているのか、不快に感じているのかというのが自分ではよくわからないでいて、いつも自分以外のものを優先している、そして、その事にも気づいていないこともきわめて多いように思います。
何かの区切りやふとした時に自分がとても疲れていることに唖然とするというタイミングがやって来て、不思議な感じがしたり、何かがおかしいと思ったりします。
これを自分と向き合っていくチャンスとすれば、とても良いと思いますが、ガンバリが足りないんだと思ってさらに頑張ろうとしたり、薬や栄養剤などで押さえ込もうとしたり、感じるのを止めようとしたりしていると、そう遠くないうちにどこかが壊れてしまってもおかしくないですね。
こういう行為は、火事がおこっている時にサイレンが鳴っているのをうるさいから邪魔だからと止めてしまって、それまでやっていたことをそのまま続けているのに等しいかもしれません。
サインや前兆のようなものに気づいて必要な対処をしていれば、そんなにとんでも無いことにはなりません。
ドタバタと激しい出来事が頻繁に起こったり、急に大きなことが起こったと思う時にはそれまでに何度かあったサインを見逃していたと思っても良いかもしれません。
こういうことが起こっている人は、とても優しく人の気持ちがよくわかったり、気が利いて仕事面でも優秀であることが多いようです。
人の気持ちはよくわかるけれど、自分の気持ちがわからない、という状態であったりします。
しかし、ゆっくりみていくと一瞬「嫌だな」と感じていた瞬間を見つけることがあります。
そして、次の瞬間に「そんなことを言ってはいけない、思ってはいけない」と打ち消していたりします。
やりすぎて疲れてしまう前に、自分が感じていることに気づく機会を増やしていくと少しづつ早いタイミングで気づくことができるようになっていきます。
そして、まさに最初に自分にとって心地良くないことを受け入れてしまうタイミングを見つけることができると、そこでの自分の選択を新しいものにする機会を得られます。
これまでは、「相手さえ良ければ」とか「やるべきものだから」とか「みんなやっているから」とかいう理由で、無自覚で引き受けていたものを、例えば「自分はこれを引き受けることでどんな気持ちになるだろうか」「これを引き受けることは自分がハッピーでいることにつながるか」あるいは「自分も相手も同じくらい大切にするとどんな選択肢があるだろうか」と問うてみることでこれまでとは違う流れに入っていけます。
少し引いた視野で見てみると、人から軽んじられる時にはその前に自分が自分のことを軽んじているし、自分を大切に仕始めると自ずと周りも自分を尊重してくれるようになっていくように思います。
そのプロセスでは、自分にとって好ましくないことには「No」という場面があったり、安易に折れることなくお互いにとっていい選択肢を探そうとしたりする場面も出て来ることでしょう。
自分を大切にしようという意志を持つならば、その時にできることから無理なく始めていくことで、必ずできるようになると思います。
スカイプで「自分育て」を体験してみませんか!!
一度、1000円体験コーチングを試してみませんか!!
←コラム一覧へ戻る
Copyright (C) 2007 大(dai) All Rights Reserved.
※当サイトのテキスト・画像等すべての無断転載転用、を固く禁じます。