前回は、不意に疲れてると気づく時、をみてみました。
今回は、やりたいことがわからない、をみてみます。
「あなたの夢は何ですか」「あなたのやりたいことは何ですか」と聞かれた時に、とても困惑したような表情を見せる人に出会うことがあります。
決められたことをこなすことに関してはとても優秀だったりするのですが、「ひとたび、あなたがやりたいように自由にやって良いですよ」なんて言われると、途端にフリーズしてしまう。
こういう傾向がある人のお話しを聞いている中で割とよく出てくくるものに、子供の頃の親との会話の中に出て来る「いつまでもそんなことしていないで、はやく?しなさい」という構文があります。
たぶん多くの家庭で、よく耳にする言い回しではないかと思います。
この文を注意深く見てみると、例えば、「いつまでも遊んでないで、はやく勉強しなさい」というようなことを日常的に何度も何度も繰り返しいわれていると、どんなメッセージを受けとっていることになるでしょうか。
「いつまでも遊んでいないで」という部分では、遊ぶことはよくないことだ、あるいは自分がやりたくてやっていることはよくないことだ、と言われているように受け取っていたり、「はやく勉強しなさい」という部分では、勉強はしなければいけないものだ、遊ぶことより勉強することの方が価値がある、そして、今自分が興味のないことを押しつけられているという風に受けとっていたりすることが多いようです。
これだと年齢を重ねるにつれて、遊ぶことを楽しめなくなったり、遊ぶことに罪悪感を感じ始めたりするだけでなく、勉強することも楽しいものというよりはやらなければいけない義務や嫌なことというようなニュアンスを持ってしまいがちです。
また、感じていることから見ていくと、楽しく過ごしている時に冷や水を浴びせかけられたような、楽しむことはほどほどにして早く楽しくはないこと、義務を果たしなさい、といわれているようです。
そして、遊びに限らず、「いつまでもテレビばっかり見てないで、」「いつまでもボーッとしてないで」「いつまでも本ばっかり読んでないで」と自分が自然にやっていることや気分よくやっていることを頭ごなしにいつも否定ばかりされていると、元気があれば反発するでしょうが、繊細であったり気が小さかったりすると、自分の思いを外に出すことは止めてしまって、いつも親の機嫌を伺ってビクビクして、自分がしたいと思うことよりも親が言いそうなことを先回りして知ろうということに意識が向かうようになっていくこともあります。
真面目な人ほど、この流れから出ることを難しく感じていたりするので、このままの延長線でいくと、大人になれば勉強がそのまま仕事に置き換わり、やるべきこととして仕事をこなす。
しかし、楽しく仕事をするとか、好きなことを仕事にするというのは、考え方としては理解できても、実際に自分のこととして想像しようとすると水と油を混ぜるような違和感や相容れない感覚を覚えるようです。
親から言われたこと、特に小さい時に親から言われたことは全て正しいと思い込んでいたり、疑うことなく正しいこととしてそのことを前提にしてしまっていることがあります。
その前提の上に色んなことをしようとした時にどうしてもうまくいかないことが出てきます。
やりたいことをやって自由に生きたいと思う時に、前提との矛盾がでてくるのです。
この時に前提を見直したり疑ってみるということをしないと、うまくいかない時にはいつも私が悪いとか世間が悪いとかいうことにしていく人もあります。
だれも悪者にする必要はないですし、前提を見直す機会として捉えればうしろ良いチャンスでさえあります。
例え一時期うまくいったものでも一生そのままうまく行くものばかりではなく、ある時期を過ぎるとむしろ弊害が多くなるようなものも多くあります。
変化を当たり前とし、日々見直しや修正することを日常とすることができれば、古い習慣に苦しむことは減っていくように思います。
また、自分で興味を感じ、ワクワクして、実際にやってみて、失敗もしながら何度もチャレンジして欲しかったものを手に入れる、そしてその過程で起こってくるものに責任をもつということを実体験として経験していないと、やりたいことをやるということが自分からはとても遠いところにあるように感じても不思議はないでしょう。
気づいた時点から、成功も失敗も含めて体験を重ねていく必要がありそうです。
それにしても、小さい時に多くの時間を共にしていた人の影響はやはり大きいです。
聞き覚えで正確な表現ではないですが、孫正義さんは小さい頃に「あなたは世界を動かすような人になるわ」とおばあさんにいつも言われていて、自分もいつの頃からか当たり前のようにそう思っていたと言う話しや、亡くなられた落語家の円楽さんは、母親からよく「あなたは名人よ」と言われていたので、いつも自分で名人にふさわしいあり方を意識していたと言うのを聞くと、環境の大切さを改めて感じます。
自分に気づきがあった時には、その時点から自分自身への声掛けや接し方、イメージの描き方を肯定的なものに変えていくことで、新たにつくっていけるものがあります。
過去の環境や境遇を嘆くことにあまり長い時間を使うのはもったいないですね。
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