前回は、人に近づく、をみてみました。
今回は、許す・許せない、をみてみます。
時には誰かを許せないと思うことがあるかもしれません。
あるいは、今目の前で起こっていることを許せないと思うこともあるでしょう。
その後、何かが起こったり時間が経ったりすることで、ある時点を境にさっきまで許せなかったものが許せるようになることもあります。
この許せる時と許せない時というのは何が起こっていて、何が変わったのでしょう。
我が家でも子供たちがよくケンカをしていますが、大人が子供のケンカの仲裁に入ることがあります。
どちらが先に叩いたとか、何かを取ったとか、いろんなことが原因になっていますが、明らかに原因をつくっている方がはっきりしている場合には、謝ることを促します。
多くの場合、自分が悪かったということは自覚しているようで、「ごめん」という言葉は割とすんなり出てきます。
納得が行かなかったり、意地を張って謝りたくない様子の時は、それまでの経緯や気持ちなどを更に聞くか、その場はそのままにして無理に謝らせることはしないことが多いです。
そして、今度は謝られている方に、「謝っているから許してあげるか?」と聞くと、「嫌や」と言うことが多いように思います。
嫌なことをされた直後には、謝られてもすぐには許せないのでしょう。
正直な反応だと思います。
「悪いことしたんだから謝りなさい」「謝っているんだから許してあげなさい」ということを迫るシーンを見かけることがありますが、言葉の上で「わかった」と言わせても思いや感じているものは違うところにあるので、あまり意味がないように私は感じています。
なので、「許したくない」という時には、「今は許せないみたいやから、許せるようになったら教えてね」と言っておきます。
そして、大体やられた方は、しばらく泣いていたりグズグズ言っていて、やった方は気にすることなくまた遊び始めているので、私も一緒に遊びに入ったりします。
すると、さっきまでグズグズ言っていたやられた方が、「もう許した」と言って遊びの中に入ってきます。
この思いを溜め込まず瞬間に変われるのは、子供の気持ちが良い所だなといつも思います。
人に「許してあげろ」と言われても許す気にはならないけれど、楽しく遊んでいる様子を見ていると、自分だけ楽しくない所に長く居続けるのはバカらしくなって、「許せない」という気持ちなんかはどうでもよくなって自分もはやく楽しい所に行こうとしているように私には見えます。
小さい子供のうちは、何かを押しつけたり本当に感じていることと違う言葉を言わせようとしたりしなければ、「許せない」という時間を長く過ごし続けることはないように思います。
放っておけば嫌な思いはさっさと解放して、楽しい方に向かっていくようになっているようです。
大きくなって大人に近づいていくと、本当に感じていることよりも体裁や周りからの評価など、社会的な自己のイメージを守ることを優先することが多くなっていくかもしれません。
この時の「許せる・許せない」についても、自分が感じているものを見ていくとわかりやすくなるように思います。
「許せない」と思う時、シンプルに言うと嫌な思いをしているんでしょう。
反射的に怒りなど強い感情が出て来る時には、大切にしてもらえなかったり、邪険にされるなど自分を粗末に扱われたり、あるいは自分が大切にしているものを壊されたり、否定されたりした時であったりします。
また、それほど大きな感情が出て来るわけではないけれど何となく嫌な感じや好感が持てないニュアンスがある時には、どこか自分が信じているこうあるべきもの、こうするものというルールから外れているのかもしれません。
セッションをしていると、「許さなきゃいけないと思うけど許せない」「これぐらいのことを許せないのは大人げない」と言って苦しんでいる人もいます。
少し冷静になって起こっていることをみてみる、「どうすべきか」から離れて感じていることをみてみれば、自ずと見えてくるものがあります。
目の前で起こっていることを通して、自分の価値が認められていない、自分が否定されているように感じると悲しくなり、その後に怒りに変わっていくこともあります。
そして、悲しさや怒りを感じている時にその感情を抑えて「許さなきゃ、許さなきゃ」と自分に迫って、さらに苦しみをつくっていたりします。
何が起こっているかが見えてくると、どうしていけばいいかは何となくわかってきますよね。
できるだけシンプルでいられる方に近づいていくのがいいです。
そして、更に冷静になれると、起こってしまったことを嘆いたり、誰かを責めたりすることを一度やめてみて、「もっと自分を認めて欲しいんだな」「私は大切にされたいんだな」という欲求に気づいたり、「私はこうすべきでそんな風にするべきでないと思っていたんだな」と持っていた観念に気づいたりする機会にすることができれば、更に自分を知って行くことができますね。
注意深くみていると自分が許せる範囲も日々変わっています。
許せる範囲が広がるということは、自分も良い気分でいられる時間が増えますし、付き合える相手にも広がりが出て来るでしょう。
そして、自分も含めてお互いを許し合えるようになっていけば、さらに住み易い世界になっていくように思います。
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