前回は、切り分ける、をみてみました。
今回は、自分の反応を知る、をみてみます。
普段色々なお話を聞かせてもらっていると、今週はこんな良いことがあった、こんなうれしいことがあった、とっても嫌なことを言われた、失敗してとても落ち込ん
だ、と言うようなことを伝えてくれます。
もう少しシンプルにすると、良いことがあった・悪いことがあった、あるいはうれしいことがあった・嫌なことがあった、という感じです。
こういう表現をしている時には、出来事に焦点が当たっています。
出来事に良いことや悪いこと、うれしいことやそうではないことなど、色々種類があるというニュアンスです。
この時に起こっていることをもう少しゆっくり丁寧にみていくと、こんなことがあってうれしかった、あるいはこんなうれしくなるようなことがあったという表現が出来ると思います。
つまり、最初からうれしいことというのが決まってあるのではなく、ある出来事があって自分はうれしく感じたという、その出来事に対する自分の反応がうれしいというものだったということでしょう。
どういう理由でそうなっているのかは別にして、今の自分をみた時に体験、出来事がある度に何らかの反応や感情が上がってくるということが起こっています。
普段、特に意識しなければ、良いことがあった、良くないことがあったと出来事の方ばかりに意識が行って、ついてるとかついてないとか、あいつが悪いとか私が悪いとかという所にフォーカスが行きがちですが、「私はどんな時にどんな反応をしているんだろう」という視点で自分を観察してみると色々見えてくるものがあります。
まずは、自分の反応に敏感でいると良いと思います。
自分に意識を向けて、何かのきっかけで身体のどこかに緊張が出てきたり、うれしい気持ちになったりという変化を見つけた時にその直前に何があったのかを思い返してみると良いでしょう。
わかりやすい所では、失敗を指摘された時には自分にはどんな反応が出て来ているのか、褒められた時にはどんな反応が出て来ているのかを思い返してみることができます。
多くの人は、失敗を指摘された時には緊張が出て嫌な気持ちがして、褒められるとうれしい気持ちになるかもしれません。
しかし、中には失敗を指摘されても緊張しないで嫌な気持ちになることがなかったり、褒められた時にうれしくなるよりもむしろ落ち着かなくて嫌な感じを感じる人もいると思います。
基本的には、人それぞれみんな違いますし、本当は最初から決まっているものは無いんだと思います。
暇な時にでもしばらく自分に意識を向けていると、自分の中で起こっている反応や出て来る感情、フィーリングは、色んなことに細かく反応していることがわかります。
さっきまでとても気分良くいたのが、ほんの一言で晴天から雨雲が立ちこめるような展開になったり、本当に天気によって気分が大きく左右されていることに気づく人もあるでしょう。
1人でいた所に誰かが入ってきたことで、一瞬で自分のモードが変わったり、人の視線を感じて出て来る反応もあります。
また、ある程度距離が離れている所では何も気にならなかったのが、ある距離より近づいた時には、なぜかドキドキ仕始めたり、うれしくなったり、怖くなったりということがおこっていたりします。
こんな風なことをただ沢山見つけていくと、どんな刺激に対してどんな反応を自分はするのかというのがわかるし、普段の生活の中でどんな反応をしていることが多いのかという傾向もみえてくるでしょう。
簡単にいうと、笑っていることが多いとか、いつも怒っている、被害者意識でいることが多いなど、自分が多く感じていることに特徴があります。
ある刺激に対してどういう反応をするのかというのは最初から決まっているものはありません。
同じ刺激に対して、うれしいと反応することも怒りや被害者意識を出すことも可能です。
そして、普段どんな気分でいることが多いのかというのが見えてくると思いますが、その気分は自分が選んでいるものなんだと思います。
ということは、いつでも違うものを選ぶことができるということでもあります。
どんなものであれ、今起こっている刺激に対する反応が今の自分なのでしょう。
そこには性格も含まれます。
長くやってる反応・感情、いつもの反応・感情が性格でもあります。
変えたければ変えることもできるでしょうが、変えなければいけないということはありません。
その性格を好むか好まないのかというはありそうですが、嫌っていると変えるのは難しくなりそうです。
いずれにしろ、性格も含めて、今の自分から出る反応であり、それはパターン化しています。
もういいなと思ったり、飽きたら変えてみるのも良いでしょう。
それらは、今の自分に染みついているただの反応パターンなので、いわゆる本当の自分ではありません。
でも、ある意味で今の自分であることは事実なので、嫌ったり虐げたりするよりは一旦全て認めて、変えたければ変えていけばいいと思います。
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