前回は、自分の反応を知る、をみてみました。
今回は、良いですね、をみてみます。
もう随分前のことになりますが、私がコーチの養成コースを受講し始めた時、最初の頃に印象的だったのは、「良いですね」と言ってもらえることの心地良さでした。
沢山コーチングセッションを受けて、いろんなスキルも体験しましたが、セッション後に一番強く残っていたのは、この「良いですね」と言ってもらえた安心感だったような気がします。
今でこそ、何が起こっても「良かったな」と思えることが多くなってきていますが、当時は今起こっていることを肯定的に捉えることが難しかったんだと思います。
いくらかうまく行ったと自分で思えることがあっても、「口にすると自慢しているみたいでやらしいかな」と思ってみたり、「もっとうまく行っている人はいくらでもいるし、これぐらいで喜ぶべきではない」「今ちょっとうまく行ったとしても次どうなるかわからないし、喜んでいる場合ではない」というようなことばかりが頭に浮かんできて、ほとんど自分を評価したり、認めたりすることがなかったように思います。
それでいて、本当は誰かに認めて欲しいというような思いは常にありました。
そんな時に「良いですね」「良かったですね」と言ってもらえると、「良かったと思って良いんだ」「共感してくれる人がいるんだ」と思えてうれしかったのを思い出します。
当時は、そんなに細かいことは考えていませんでしたが、ただただ温かい感じやいくらか自分を肯定できたり、今をこれで良いんだと認められる安堵感を心地良く感じていました。
私のセッションを受けてくれた人のアンケートの中にも、同じような感想が時々みられます。
自分を否定したり、現状を肯定できない見方の中に居続けることはやはりきついんだと思います。
そんな中で、肯定できる所を見つけられると、ホッとできるんでしょう。
色んなスキルやテクニックはありますが、結局今の自分をすべて肯定できれば、何も問題ではなくなりますから、そういう意味でも「良いですね」は効くんだと思います。
自分がセッションをするようになっても、「良いですね」とよく言っていると思います。
ただ、意識的に使っているというより、無意識で当たり前のように使っていますね。
それは、本当に「良いですね」「良かったですね」と思うからです。
そして、同時にそう思えるようなことを見つけようとしたり、そう思える見方を提案しているということでもあると思います。
逆にいうと、「良いですね」と思っていない時にその言葉を使うことはありません。
他の言葉についてもそうですが、本当に思っていないこと感じていないことは言いません。
よくカウンセリングなんかだと「すばらしいです」「すごいですね」となんでもかんでも持ち上げていると思っている人もいるかもしれませんが、私はしないですね。
嘘は伝わります。
言葉以外のボディランゲージで伝わっているものが沢山あります。
顔の表情や視線、声のトーン、語尾など様々な形で感じているものや思っていることが伝わっている時に、それらのメッセージと言葉のメッセージが違うと、違和感を感じます。
そして多くの場合、言葉が嘘だとわかります。
すると、一番大切な信頼関係がつくれませんし、何を言っても信用できなくなってしまいます。
もともと嘘をついてまで、褒めたり持ち上げる必要はないですし、嘘をついて持ち上げても嘘をつかないと良いところや肯定できるところがないというメッセージを送っていることにもなり、結果として逆効果になりそうです。
ことの大小にかかわらず、本当に「良いですね」「良かったですね」と感じた時にちゃんと表現して伝えるということだけで十分だと思います。
そして、人の話の中に沢山の「良いですね」を見つけられるようになると、自分の中にも「良かったな」と思える機会が多くなっていくと思います。
逆もあって、自分の中に沢山「良かったな」を見つけられるようになると、人の話の中にも沢山の「良いですね」を見つけることが簡単になるでしょう。
そして、それを相手に伝えることが何よりのサポートになることがあります。
日常生活の中で、人にも自分にも「良いですね」「良かったですね」を沢山使う人が増えてくると良いなと思います。
くれぐれも使う時は、本当にそう感じた時だけにして下さいね。
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