前回は、感じたいものを先に決める、をみてみました。
今回は、自分を大切にする、をみてみます。
セッションをしている中で、よく「自分を大切にしましょう」というフレーズを使うことがあります。
これを聞いた時の反応は人によって様々です。
カウンセリング系の本や自己啓発系の本にもよく書いてあったりするので、そうした方が良いんだろうと思うけれど具体的にどうすればいいのかわからないという人や自分を大切にするなんて今まで考えたこともなかったという人もいます。
誰かを怒らせないようにとか褒めてもらえるように、あるいは役割や義務を果たすことばかりに意識が向いていたりすると、そこには自分というのは全く出てきません。
怒らせないというのや褒めてもらおうとするのは自分以外の誰かの考え方や感じ方に合わせることだし、役割や義務という時にも自分で決めたものではないことが多いように思います。
うまく行かないと、「自分が悪い」「自分が至らないばかりに・・・」と自分を責めたり、時には人や境遇を恨むこともあるかもしれません。
うまく行った時にも、ホッとすることはあってもそれ程うれしくなかったりします。
元々自分の喜びに向かって始めたものではないし、ある基準やノルマをクリアしたという安堵感以上のものは感じられないのでしょう。
こういうあり方を長く続けていると当然ながら色々と問題が出て来ると思います。
単純に疲れてきたり、ある日突然倒れたり、あるいは頑張っても頑張っても満たされない無力感や虚しさに知らぬ間に包み込まれてしまっているかもしれません。
うまく行かない時は、ある意味では良いチャンスですね。
これまでのあり方を振り返る絶好の機会にもできそうです。
それなりにやれている時には、なかなか立ち止まって考えようとはしません。
ただ、一度立ち止まって自分のこれまでをゆっくり振り返ってみると、どこにも自分がいなかったり、いつも自分以外の誰かや何かを優先していたことに気づくことは難しくありません。
思い出せるいくつかのシーンで、「その時、自分はどんな風に感じていたんでしょう。」と聞いてみます。
最初は、「わからない」「何も感じていない」という返事が返ってくることもありますが、身体に手を当てたり、身体に意識を向けていくとそこに閉じこめられている声が聞こえてきたりします。
更に「本当はどうしたかったんでしょう」と聞いていくと、「できればあんなことはしたくはなかった」「それをする以外の選択がなかった」「本当は自分も〜したかった」というようなものが少しずつ、ある時には一気に出てきます。
そして、自分でもビックリされていたりします。
「こんな風に思っていたなんて知らなかった」と自分の中で起こっていたことなのに他人事のようだったりすることや、今思うと薄々気づいていたけれど見ないようにしていたというようなこともあります。
いつもいつも毎瞬毎瞬、何かを感じているだと思うのですが、それを認めなかったり価値がないものとして扱っていると、自分の意識にのぼらないようになってくるんだと思います。
その時々には気づいていなかったものでも後から意識を向けてやるとその時に感じていたものがちゃんと感じられる、そして、本人もビックリする、そんなことが起こっているようです。
自分が感じていることに気づき始めれば、やっと自分を大切にするということができますね。
原則としては、(その時に出来るだけ)自分が心地良いと感じるもの、やりたいことを自分にやらせてあげる。
そして、(その時に出来るだけ)自分が心地良くないこと、やりたくないことを自分にやらせない、ということになるかと思います。
こういうことをやっていくと、古い習慣や罪悪感、禁止令などが顔を出してかもしれませんが、出て来る度に解決していけばいいですね。
今自分が感じていることに気づいていて、できるだけそれに沿ってやるということを自分に無理のないペースで進めていけると良いと思います。
少しずつでも自分を大切に仕始めると、それにつれて自分を信頼できるようになっていくでしょう。
自分を軽んじていたのも、自分を傷つけていたのも自分です。
そして、これからは自分を価値あるものとして扱い、自分を大切にすることで安心感や自信も育っていくように思います。
自分との関係に関しては、「(できるだけ)やりたいことをやり、(できるだけ)やりたくないことをやらない」を心掛けていれば、健全でいられると思います。
これをやりたいことをやらずに、やりたくないことを自分に課していくと、病気に向かっていくことになりそうです。
「(できるだけ)やりたいことをやり、(できるだけ)やりたくないことをやらない」を実践していく時には、他者との関係などを通して色々と立ちはだかってくるものがあるかもしれませんが、それは望むところです。
良いチャレンジにしていけばいいです。
ここでは二択といっても良いかもしれません。
やりたいことをやるための困難(のように見えるもの)とやりたくないことをやり続ける困難のどちらを選んでいるんでしょう。
いずれにしろ、「自分を大切にする」「自分にやさしくする」というのは、やはり自分と向き合っていく時には良いスタートだと思います。
スカイプで「自分育て」を体験してみませんか!!
一度、1000円体験コーチングを試してみませんか!!
←コラム一覧へ戻る
Copyright (C) 2007 大(dai) All Rights Reserved.
※当サイトのテキスト・画像等すべての無断転載転用、を固く禁じます。