前回は、自由な人、をみてみました。
今回は、感じる、をみてみます。
あまり感じなくなっていたり、感じることが難しくなっていたりすることがあります。
感じるということにどんな意味があるのか、何に役に立つのか、どうしたら感じられるのかというようなことが気になる時、それは感じているのではなく、感じるということを考えているのでしょう。
感じることがわからなくなっている、あるいはそういうことが気になっている時というのは、どこかに怖さがあるのを一生懸命そこから目を逸らそうとしていたり、どうして良いかわからずに固まってフリーズしてしまっているのかもしれません。
うまくきっかけを掴むことが出来て、いくらかでもホッとしたり一時でも安心できるような状態を経験できると、自分の中が少し緩んで、「自分はとても怖がってたんだな」「とても不安だったんだな」というように自分が感じていたものに気づくことが出来たりします。
感じているものを持て余したり、どうしていいのか受け止められない時には、そんな風なことが起こっていることがあります。
そうであっても一度感じ始めると、再びその事を極度に怖がるということにならなければ、少しずつでも色んなことを感じ始めて、様々な感情や感覚が出て来ることでしょう。
何かのきっかけで一度ドアを開けて、そのドアを閉じることがなければ、そのドアの向こうに押し込んでいたものが、溢れ出てくるのは不思議ではないですね。
怖さで再びドアを閉めてしまわないように、出来るだけ安心出来る環境をつくって自分に無理のないペースで進めていけると良いと思います。
長くやっていなかったことをやるわけですから、リハビリをしているようなものでもありますね。
日々の生活の中で感じていることをゆっくりと丁寧に拾っていきます。
楽しいこと、悲しいこと、ホッとすること、ムッとすること、温かい気持ちになること、うれしくなることなど、1日の中でも本当に色んなことを感じていることに最初はビックリするかもしれません。
その多くはほんのちょっとしたことです。
朝、誰かと挨拶を交わして何となく気持ちが良かったことや足を踏まれてムッとしたこと、散歩していて頬に当たる風が心地良かったことなど、ひとつひとつは小さなことですが毎瞬毎瞬本当に色んなことを感じながら生きています。
その感じていることをどれだけ意識が拾っているか、フォーカスしているのかということなのでしょう。
しばらくこんなことを自己観察していると、どんな時に自分は良い気分でいられて、何をきっかけに落ち込んでしまうのか、またそこからどんな風に回復していくのかなど、自分の気分や感情がどのように移り変わっていっているのかが見えてきます。
このプロセスの中で、心地良くない気分や感情が出てきた時にはそれを手放すということを並行してやっていくと、さらに速いペースで自然体の自分を取り戻していけるでしょう。
こんな風に自分が感じていることに気づきながら過ごしていると、何でこんな気持ちになるのかわからない、どうしてこんな感情が出て来るのかわからないというようなものが出て来る頻度が増えてくるかもしれません。
何かを失敗したわけでもなく、誰かに嫌なことを言われたわけでもないのに怒りや悲しい気持ちが出てきていたり、逆に特に良いことがあったわけでもないけれど何だかさわやかでとても満たされた気分の時があったりすることに気づくことが増えてきたりします。
最初のうちは、何とか理由を見つけようとしたりするのかもしれませんが、どんな説明を付けてもしっくりこない、無理があると思えることが出てきます。
自分が外の世界にとらわれる割合が少なくなって、自分の内面のありように意識を向けるに連れてそんなことが増えてくるようにも思います。
そして、理由が見つけられたとしてもそれが本当の理由なのかどうかも定かではないし、突き詰めていくと理由はあまり関係なくて、それよりは何を感じているのかということだけを見ていけば良いようになっていくと思います。
そうすると、さらに考える部分は少なくなっていきます。
ただ、「こんな感覚がやってきたな」「なぜだかこんな感情が出来たぞ」と気づいている状態でいて、そのただ感じている状態でも良いし、それが心地良くない感情であった時には、その後もそれを感じ続けていたいのか、それはもう要らないのかの選択をしていくことが出来ます。
いずれにしろ、もう感じることから逃げ回っている状態ではないので、時に心地良くない感情を感じることがあっても大きく振り回されるということは段々少なくなって行くように思います。
元々感情や感じているものに良いものや悪いものがあるわけではないし、どんなものであっても押し込めたり閉じこめたりしないで、流れを止めることがなければ問題にはならないでしょう。
そして、意識的に選択をしていくならば、更にスムーズな展開になっていくように思います。
「こんな風に感じるのはいけない」「いつも良い感情を出し続けないといけない」など、あれこれ考えて判断ばかりしていると、ちょっと大変になってしまうかもしれませんね。
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