前回は、大切にする、をみてみました。
今回は、叱ると褒める、をみてみます。
子供や部下に対して、「褒めて育てよう」とか「叱らないとつけ上がる」とか色々な考え方があります。
私自身に関していうと、自分が叱ったり叱られたりするのがあまり好きではないので、自然に叱る回数は少なくなっているように思います。
特に褒めよう褒めようと思っていることはないのですが、叱る回数が減っている分だけ褒めるというか認めるような言葉がけが増えているんだろうと思います。
結局のところ、叱ったり褒めたりすることで何をしたいのか、何を伝えたいのか、何が伝わると良いのか、ということが大事で、叱ったり褒めたりすることはその手段なんだろうと思います。
躾や作法やマナーなどを身に付けさせようとする時など、こちらが良いと思うことをやって欲しい時にはそれらが伝わることが必要でしょうし、感じているものから見ると、あなたのことを大切に思っているよ、あなたを認めているよ、というようなことも同時に伝わっていることもとても大切だと思います。
叱られている側からの話しを聞いていると、やって欲しいことなど求めらていることはある程度伝わっているけれど、認められている感じや大切に思われている感覚はほとんど伝わっていないことが多いようです。
特に子供は、親に怒られると「お母さん(お父さん)は、私のことが嫌いなんだ」と思っていることが多いです。
そうなると、「私のことが嫌いなんだ」というメッセージの方がとても強くなって、具体的な伝えたい内容が入っていかないので、「ちゃんと聞いているの」「早くやりなさい」というようにさらに語気を強めて、段々脅かして動かそうとするようなことになっていたりします。
叱るというやり方でする時には、自分や相手が感じていることに意識が向いていないとほんとに力ずくになってしまいますね。
力ずくで相手を動かしている時には、力関係が変わってしまえば、全く機能しなくなります。
力が強い者が力の弱い者を強引に動かしているだけなので当然と言えば当然です。
親子関係でいえば、小さい時には力ではかなわいので渋々言うことを聞いていたのが、大きくなって力負けしないようになってくると、言うことを聞かなくなる、全くコミュニケーションが取れなくなる、時にはそれまでのことを恨みに思って、復讐を仕始めることなんかもあります。
逆に叱ることがうまく行っている時というのは、この思いや感じているものに問題が起きていない時なんだろうと思います。
自分に厳しくしてくれているのは、私のことを本気で思っていてくれているからだ、と言われている方が本当に思っている場合には、むしろ有り難いとさえ思うんでしょう。
これは、叱る方が「あなたのためを思って言っているんだ」と力説しても、言われている方がそう思わなければ、全然違うものになっています。
実際のコミュニケーションは、言った言葉の内容そのものというよりは、眼差しや顔の表情、語気アクセントなど、言葉以外のものから受け取る印象の方が大きく影響していますので、自分が言った言葉の内容にこだわるより、相手に伝わったものは何だったのかに意識を向けた方が良いと思います。
そういう意味では、褒めるというに関しても同じようなことが言えるでしょう。
相手の良いところに意識を向けて、本当に自分が素晴らしいなと思うその気持ちを伝える時は良いですが、相手に媚びるように取って付けたように褒めても、言われている方は褒められているとは感じられないこともあるでしょう。
伝わっているのは、ただ自信のなさや頼りない感じ、表面的な薄っぺらさだけだったりします。
何かをしようとする時、最初に目的を確認しておくと良いでしょう。
例えば、いつも部屋をある程度きれいにしておいて欲しいということを伝えたいのであれば、結果としてその事が伝わるような方法を選ばないと意味がないですね。
それには、平和的に、穏やかに和やかになど、感じたいものを目的に含ませておくスムーズに行くと思います。
そして、相手の状態を感じておくことも大事でしょう。
いつも不安がっている人には安心できるような言葉を最初にかけてあげると落ち着いて聞いてくれるでしょうし、何かをしている最中ならそれが終わるか邪魔にならないようにしてこちらの話しを聞いてくれる状態であるのかを確認しておくと良いでしょう。
コミュニケーションの場面を細かく見ていくと、結構複雑に色んな要素が絡んでいるのでややこしくなりますが、原則的には自分と相手が感じているものと相手に伝わったものに意識を向けておけば大ききな問題になることはないように思います。
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