前回は、伝わっていた、をみてみました。
今回は、人に近づく、をみてみます。
人は鏡、という言い方をすることがあります。
その意味するところは、自分の内面の状態を周りの人に映し出して見ているというようなことだと思います。
その言葉通り、人を鏡だとするとその鏡に近づけば近づくほど、鏡に映った自分がよく見えてくるということでもあります。
逆に鏡を遠くから離れてみていると、外観はわかっても細部の細かいところは見えないですね。
そして、遠くから見ている時にはある程度冷静さを保っていやすいし、自分が見たいところだけ見ていることもできたりします。
段々近づいていくと、見たいところだけを見続けるというのも難しくなってきて、あらが見えてきたり、気に入らないところもどんどん見えてきてしまいます。
自分の理想やルール、こうであるべきなどのようなかたいものを持っていると、目の前にいる人がそれとは相容れない時には、とても気になってくるでしょう。
そして、近づいていくと時にはイライラしたり、相手をコントロールしようとしたり、それがうまく行かない時には相手を非難し始めたりすることもあるかもしれません。
人との距離を縮めていく時には、このようなことが起こっていることが多いように思います。
この辺りで、「遠くから見ていた時にはもっと良い人だと思っていたのに近いづいてみるとそうではなかった」と関係を解消してしまうこともあるでしょう。
ただ、程度の差こそあれ、相手がどのような人であっても同じようなことを知らぬ間にしているんだろうと思います。
出会い初めなど遠くから見ている時には、期待や憧れなど、相手を見ているというよりは自分の中で都合の良いイメージをつくってそれを相手に被せてみていて、近づいていくと実際の相手は自分が見ていたイメージのような人ではなかったということがわかって、がっかりするというようなパターンを何回も何回も繰り返していたりします。
この流れをよく見てみると、最初から最後まで自分の期待や憧れ、ニーズなど自分がつくったイメージしか見ていないのかもしれません。
そう思うと、ほとんど目の前の人そのものは見ていない感じていないのではないかと思えてきます。
それが顕著に表れる時には、長く一緒にいるのに相手のことを何にも知らないことに愕然とする、ということもあります。
この人は良い人か、この人は頼りになるか、この人は私を幸せにしてくれるのか、この人は私を不快にしないか、など、自分が欲しいものを満たしてくれるかどうかだけが気になっていたりします。
そして、ある一定期間自分の必要を満たしてくれていた人であっても、ある時を境に満たしてくれなくなると、興味を失うか、なぜ私を満たしてくれないのかと腹立たしく思えてきたりするかもしれません。
自立的に頼むの時は良いのですが、自分で満たすべき所を相手に埋めてもらおうとしたり、そのために人を使おうとしている時には、本当の意味で感謝することは難しいかもしれないですね。
また、いつも身近なところにいたり、長く一緒にいると、自分が持っているルールと相手が持っているルールの違いが事ある毎にぶつかるように感じたりします。
この時にお互いが感じていることを伝え合って、それぞれがこれまでに持っていたルールを確認し合って、その上で共有できるルールをつくったり、それぞれがそれぞれのルールで生きることを許し合うことを確認できたりする時には、さらに良い関係ができていくことでしょう。
そうでない時には、私が正しくてあなたが間違っていると主張し合ったり、どちらかが自分が感じていることを伝えられずにただ相手にあわせ続けていると一緒にいることが苦痛になっていったりすることもありそうです。
そうであっても、様々な経験を重ねながら、試行錯誤する中で「自分はどうありたいのか」「相手とどんな関係でいたいのか」を明確にして、ひとつひとつステップを踏んでいくことで、自分が望むあり方や関係を手に入れていけると思います。
そして、こういうことの全てが人と関わること、人との距離を縮めることではじめて見えてくることなんだろうと思います。
無人島で1人で暮らしていたら、自分というのはわからないかもしれないなぁと思うこともありますね。
その上で、ニーズや判断から離れて、人を見たり感じたりできる時には、その人のユニークさや味のようなものが直に感じられるようになってきます。
そして、それらはみなユニークで、素晴らしくキラキラとしたものに感じられるのではないかと思います。
いつもニーズや判断を通して人を見ていると、こういう感じ方がわからなくなったり、できなくなってしまったように思えることがあるかもしれません。
今自分は何を感じていて、無意識で自分は何をしているのか、というのを観察して1つひとつ気づいていくことで取り戻していけるあり方でもあると思います。
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