前回は、許す・許せない、をみてみました。
今回は、嫌いな人、をみてみます。
嫌いな人や合わないと感じる人は、どんな人にも1人や2人はいるのではないかと思います。
実際には、細かく見ていくともっと沢山いるでしょう。
普段は、嫌いな人や合わない人と無理に仲良くしなきゃいけないとか思うことなくうまくすれ違っておくのも良いと思います。
みんなに好かれようとかどんな人ともうまくやらなきゃと過度に思いすぎて、どんどん消耗していっている人も時々見かけます。
どんなに素晴らしいと思える人になったとしても、お互いに好みや気分などはあるので、相性というのは残るし、程々にしておく方が良いように思います。
私も普段は、嫌いな人や合わない人には関わらないようにしているというか、無意識のうちにそういう人と合うことを回避しているように感じています。
どっちが良くてどっちが悪いという話しでもなく単純に相性の問題だと思うので、お互いが存在することは認めながら、干渉しないでいると良いかなと思っています。
忙しく活動している時や楽しいことに忙しい時にはそれで良いのですが、少しゆとりがある時やあるいは何かに行き詰まったり、停滞感を感じる時には、一度自分が嫌いな人や普段無意識に避けている人に意識を向けてみると、気づきや良いヒントが見つられることがあります。
元々嫌いな人や合わないと思っている人というのは、自分が認めていないものや認めたくないもの、感じたくない感情など、自分が見たくないものを見せてくれる人なんだろうと思います。
なので、正確にはその人自身のことが全て嫌いというより、その人といると自分にとって居心地の悪い感覚や記憶、感情が甦ってくるということだったりします。
嫌いな人や合わないと思っている人について、全て知っているわけではなく、そんなに長くは付き合っていないことの方が多いのではないでしょうか。
何か1つ強烈に苦手なものを感じてしまうと、その他の部分がどうであるかは気にすることなく近づきたくなくなっているような気がします。
そんな嫌いな人や合わないと思っている人を少し遠くから冷静さを持ってみていくと、自分自身のことがよくわかってきます。
その人達が見せてくれるものは、私が認めていないもの、私が認めている範囲の外側にあるものです。
自分がつくっている境界線の外側に自分が配置している人達です。
その人達を何人か集めて共通点を見つけていくと、派手だったり地味だったり、明るすぎたり暗かったり、暴力的だったり落ち着きすぎていたり、貧乏だったりお金持ちだったり、平凡すぎたり成功していたり、テンポが速過ぎたり遅すぎたり、どんどん自己開示していたり自分の殻に閉じこもっていたり、色んなものが見つけられると思います。
よく見ていくと、多くの場合ネガティブなものばかりではないことに気づけるのでないかと思います。
相手にとても素晴らしいものを感じた時に、ほぼ自動的に相手と自分を比較して自分を惨めに感じていることもあります。
また、相手がとても要領よく立ち回って短期間に事業に成功していたりすると、自分はマイペースで正直に誠実にやっているからそんなにお金持ちじゃないけど良いんだと言いながら、自分でも本当にそう思っているのか負け惜しみみたいになっているのかわからなくなって、なんだが気分が落ち込んでぼんやりしているようなこともありそうです。
中身はどんなものでも、これまではこういうものを自分の領域には入れないようにしていたわけですが、逆にいうとこの嫌いな人や合わないと思っている人の中にみていた嫌な感覚を意識的に手放していけば、自分が認められるものが増えて行くわけで、出会う人や付き合える人も広がるし、これまで経験することのなかった世界を体験することができるということでもありますね。
暇な時に、嫌いな人や合わないと思っている人達を何人か拾い出して、「自分はこういうものを認めたくないんだな」と気づいて、「じゃこの感覚を変えて、これが認められるようになると、自分の世界はどう変わるだろう」とイメージしてみることは、結構楽しいです。
そして、こんな風にクールに見ていくことができると、これまで「嫌いだ、苦手だ」と思って苦虫を噛み潰したよう表情で見ていた相手も、「相手が悪い」という感覚が少し薄まって、「自分が自分のフィルターを通して見ていて、勝手に嫌っていただけなんだな」と少し申し訳なかったような気になることもあります。
ただ、嫌いな人や合わないと思っている人のことをイメージするだけで、吐き気がしたり罵らずにはいられないなど、冷静さが保てない時にはまだやらない方が無難ですね。
ゆとりがあって、冷静でいられそうで、気が向いた時にはやってみると良いと思います。
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