前回は、文句が出て来る時、をみてみました。
今回は、たまたま・やっぱり、をみてみます。
人が使っている言葉を注意深く観察していると、よく使う言い回しや特徴的な構文のようなものが見えてくることがあります。
ネガティブな人はネガティブな人特有の、ポジティブな人はポジティブな人特有の捉え方や言葉の使い方を感じます。
私がセッションで会う人の多くは、最初はネガティブなものを多く抱えていて、段々その人のペースで、ニュートラルやポジティブに移行していっているように思います。
セッションを始めてしばらくの間によく耳にする言い回しがあります。
それは、良いことやうまく行ったことは「たまたま」で、失敗したりうまく行かなかったりした時には「やっぱり」という表現をしています。
そして、良いことやうまく行ったことはほとんど無かったかのように扱っていたりします。
意識はいつも失敗したりうまく行かなかったことに向いていて、とても敏感にうまく行かなかったことばかりを拾っています。
まるでうまくいことには興味がない、あるいはうまくいくことはあり得ないと思い込んでいるかのごとく頑なにうまく行かないという所に意識のフォーカスをロックしています。
そして、自分がそういう状態にあるという自覚はほとんどの場合ありません。
すっかりはまり込んでいる時には、気づけないのは無理もありませんが。
色んな質問をしていきますが、最初のうちは大体ネガティブな反応ばかりが返ってくることが多いです。
その人の可動範囲を調べていくのに、一番うまく行った時のことやとても楽しかった時のことなんかも聞いていきます。
この答えにも様々なものがありますが、極端な場合には自分には幸せな時期など無かったかのようなものや「昔はよかった、あの時はよかった、でも今は、・・・」と今とは切り離した所にうまく行ったことや楽しかったことを置いていたりします。
こんな質問ややり取りをしばらくしていると、その人が今どんな世界に生きているのかが自ずと見えてきます。
うまく行ったのは「たまたま」で、私の人生は「やっぱり」うまくいかない、という表現が頻繁に出て来る時、まさにそれが今その人が生きている世界の景色なんだろうと思います。
こんな時にあまり急速に変化を起こそうとすると、怖さが強く出て来ることがあります。
更に本当に自分が変わり始めようとする時には、足を踏ん張ってこれ以上先には進めないような、時には進みたくない、進まない方が良いというような考えに支配される時期があるかもしれません。
もっともらしい先に進めなくなる原因や進まない方がいい理由を作りあげて、これ以上進むのはやめて、前いた所に戻ろうという流れに乗ってしまうことも珍しくありません。
こんな時も今感じているものを感じてみればわかります。
たぶん、怖さや恐れがやらない理由をあれこれ作りあげています。
とても注意深くいないと自分が無力感にひたってしまうほどの巧妙さです。
しかし逆にいうと、怖さや恐れなど特定の感情に飲み込まれることなく、ニュートラルで冷静でいられると、今の自分がどういう状態にあるのかが見えてきます。
うまく行ったのは「たまたま」で、私の人生は「やっぱり」うまくいかない、という時、ただ「うまく行くこと」に慣れていなくて、「うまくいかない」ことに慣れているということなんだと思います。
不幸や失敗に慣れていて、幸せや成功に不慣れなだけです。
多くの場合、ただ、それだけです。
放っておくと、それに硬く重い理由をつけていったりします。
こういうものの全体が見えた時には、選択が生まれます。
これからはどうしたいのか、このままで行きたいのか、それとも違うものを選びたいのかという、少なくとも2つの選択が生まれます。
意識的な選択をすれば、その内容はどちらでも良いと思います。
いつでも選択は、どちらを選んでも良いという前提にしておかないと自分で選んでいるという自覚が生まれにくいのと、選択肢の1つを選んだ方が良いという何らかの圧力がかかっていると自由な選択をするのが難しくなります。
自由に意識的な選択をして、主体性や自立性を持つためにも何も選んでもOKという前提は整えておきたいものです。
親が子供に「好きなもの選んで良いよ」と口では言いながら「あれはダメ、これはダメ」というのが多いと、子供は自分で好きなものを選んでいるという感覚はなく、最初から決められたものを選ばされている、あるいは押しつけられているとしか感じられなくても不思議はないですね。
そして、自分が捕らわれるものをできるだけ少なくして、望むものを自由に選択するということを繰り返していくと自ずと道は開けていく、と思えるならばさらに簡単に進んでいけることでしょう。
後は、不幸慣れしている自分を少しずつ無理のないペースで幸せにうまくいことに体と心を慣らして行けると良いと思います。
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