前回は、邪魔をしない、をみてみました。
今回は、切り分ける、をみてみます。
何かを嫌だとか嫌いだと感じた時、早い時期にやっておくと良いなと思うことがあります。
子供が「学校に行きたくない」と言った時や友達や家族が嫌な体験をした時などにもいくらかでもしておけると良いと思います。
それは、嫌だったこととそうではないこととを切り分けておくということです。
子供が明日学校行きたくないと言った時に、「そんなこと言ってないで行きなさい」「みんな行ってるでしょ」「学校に行くのが子供の仕事だ」と話しも聞かずに切り捨てるよりかは、しばらくただ話しを聞いたり、感じていたことを聞いてあげられると感情が流れて解放できます。
話を聞いてもらって、ある程度気が済んで嫌な感情を溜め込まなくて済んだとしても、それだけで学校に行きたくなったり、学校が好きになることはほとんど無いでしょう。
話を聞く方に余裕があれば、少し今起こっていることの整理を手伝ってあげられるかもしれません。
「学校に行きたくない」「学校が嫌い」と言う時に、多くの場合、学校のすべてが嫌いということはほとんど無いと思います。
少なくとも最初の段階ではそうだと思います。
切り分けないで放置しておくと、本当に何もかもが嫌いということにもなりかねません。
「学校に行きたくない」と言い始めた時、よく話を聞いてみると、必ず何か嫌な思いをしています。
そして、同じような嫌な思いをしたくないということが「学校に行きたくない」という表現になっているんでしょう。
話を聞いている中で、こんな嫌なことがあったと具体的な話しが出て来る時はわかりやすいですが、何か言いにくいことが絡んでいると表現がぼやけて、「嫌なものは嫌」というようなとても感情的になってしまっている時もあるかもしれません。
そんな時こそ、嫌なものとそうでないものを少しでも切り分けておきたいところです。
「学校が嫌いってことだけど、お友達もみんな嫌いなの」って聞いてみると、「そんなことない、好きな友達もいるしそうじゃない人もいる」と教えてくれます。
「運動場で遊ぶのは、どう?」と聞くと、「それは好き」と返ってきます。
「給食はどう?」と聞くと、「ちょっと嫌」と返ってきました。
さらに聞いていくと、どうも残したらダメと言われているようで、いつもは頑張って残さないように食べているけれど、2日程風邪で学校を休んでいてあまりご飯を食べられずにいたのに明日学校に行っても気持ち悪くて食べられないじゃないかと思って憂鬱になっていたようです。
その他にも、苦手な教科があったり、お友達に嫌なことを言われたりというのも出てきましたが、同時に好きな教科やお友達に言われてうれしかったことなんかも見つけられました。
ひとつ嫌なことがあると全てが嫌なもののように感じていたのが、少し冷静にみていくといくつかの嫌なことといくつかの楽しいことの両方があって、決して全てが嫌なわけではなく、意識が嫌なものに集中していただけだとわかります。
これは、嫌なものと嫌じゃないもの、楽しいものをただ聞いてやるだけのことです。
そして、いくらか嫌なものがあったとしてもその全てがとても耐え難い程嫌なものということはなく、せいぜい1つか2つのとっても嫌なものがとっても気になっている状態なのだと思います。
その嫌なものに長く意識を向け続けていると、それほど嫌でもないものも沢山集めてきて、「あれもこれも嫌」となってしまうこともあるので、早めに対処しておいた方が良いですね。
確認として、「給食残しても怒られなければ、学校行くのは嫌じゃない?」と聞いてみて、「うん」ということならいいし、そうでないなら他にも気になることがあるんでしょう。
聞く方に時間や気持ちの余裕があれば、「これとあれとそれが問題なければ、学校行くのは嫌じゃない?」と聞いて、「うん」というところまでできれば一番良いと思います。
そして、気になっている所が特定できれば、それを解決したり、それなりに付き合ったり、問題にならないあり方を見つけたりとその対処はケースバイケースです。
給食の件は、「病み上がりなので給食を残すかもしれません」と先生に一筆書くことで、心配の程度が下がったようでした。
勉強でもわからないところが出て来ると、パニックになってさっきまでわかっていた所まで、わからなくなってしまったりすることがあります。
その時も同じように、まずはどこまでは問題なくわかって、どこからわからないような感じになるのか確認していく。
わかる所を確かめていくと、わからない所がハッキリしてくるし、わかる所を確かめているだけで落ち着いてくるということもあります。
大人でもほとんど同じだと思います。
嫌なこと苦手なことに意識をしばらく向けていると、その嫌なフィーリングの中にすっぽりはまりきってしまいがちです。
すっぽりはまりきらない、できるだけ早い時期にうまく切り分けておけると良いと思います。
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