前回は、心配性、をみてみました。
今回は、ポイポイ、をみてみます。
このコラムにも時々登場していますが、私には今小学2年生の娘が2人います。
潜在意識がむき出しになっていると言われる3〜4才の頃は、本当に聡明で話しをしていると時々禅の高僧と話ししているのかと思うような瞬間が何度かありました。
これは私の娘が特別にどうこうということではなく、すべての人に当てはまることだろうと思います。
親のそばで安心していることさえできれば、あれこれ思い悩むことはなく、不快なら泣いたり拒否したりということをためらうことなくできていて、まさに感じるままに生きている状態なのでしょう。
そういう状態でいると、とても創造的で自分が感じることを疑ったり、押さえたりということはしていません。
とても自由で奔放で、時々耳を疑うようなビックリするようなことを言ったりしていたのを思い出します。
それからさらに成長して、5才、6才、7才となるにつれて、親から離れている時間が増え、あれこれと考えることも増えていきます。
友達との関係や学校での役割などの中で、嫌なことがあると塞ぎ込んだり、明日学校行きたくないというようなことも起こってきます。
2人のうちの1人は、保育園の頃は保育園が嫌でよく泣いていたのですが、小学校に上がると機嫌良く学校に通っています。
外から見てると、決して友達が多いわけでもなく、学校でもそれなりに緊張しているようなのですが、本人はそれらを気にしていないようで、本人なりのバランスは取れているようです。
もう1人は、保育園の頃はとても楽しそうに活き活きしていたのですが、小学校に上がるととても緊張しているようで、次の日に当番や発表があると前の日から落ち着かない様子です。
以前はよく直接話しを聞く時間を持てていたのですが、最近は話せる時間が少なくなっているので、会える時には様子を見ながら注意深く見守っているという感じです。
うちの子供たちには、セッションの中でもよく使っているイメージワークを小さい頃から教えているので、自分なりには使っているようです。
「嫌なことや心配なことがあったら、その事についてあれこれ考えたり、誰かのせいにしたりする前に、その嫌な感じをイメージで外に出すんやで」と言ってあります。
子供たちは、まだ半分以上はイメージの中に住んでいるようなものですから、イメージすることは慣れているし得意です。
嫌な感覚を自分の中に見つけた時には、胸の中に手を突っ込んで取り出して外にポイッと捨てるイメージなんですが、何度か繰り返してやるのでいつの頃からか子供たちは「ポイポイ」と呼んでいます。
何気に見ていると、テレビを見ている時やふとした時に胸に手を当てて「ポイポイ」をやっているようです。
少し嫌なことがあった時ぐらいなら、それで済んでいるようです。
次の日に人前で発表する時やテストがある時なんかは手伝って欲しいとよくよばれます。
大人でもそうですが、大きいものを扱う時には人に誘導してもらう方がイメージや感じることに集中できて、効果を感じやすいようです。
大抵の場合、その時気になることを何回かイメージ誘導してやると「スッキリした」と言ってます。
それでも次の日の朝にまだ気になる時には、私を起こしに来ます。
私は夜が遅いことが多くて朝は遅くまで寝ている日も割と多いのですが、ある時期はよく朝早くにたたき起こされていました。
私も忙しい時だったので、ずっとこれではしんどいなと思って、母親にイメージ誘導を簡単に教えて、できるだけ母親とやってもらうことにしました。
しばらくすると、朝起こされる回数も減ってきて、そんな日は母親とうまく「ポイポイ」ができて、気持ちよく学校に行けているとわかりました。
それからしばらくすると、「テレビに出る人になりたいから、恥ずかしがり屋はもうやめる」と言って、これまでは人の後ろに隠れていたような場面でも、自分なりのチャレンジを始めているようです。
最近は、朝たたき起こされることもなく、私の所まで「ポイポイ」のお誘いは来なくなりました。
夜に会った時には、「今日はどんな1日やった?」
「何が楽しかった、どんなおいしいもの食べた?」
というようなことをいくつか聞いて、最後に「何か気になることはあるか」と聞きます。
そうすると、「少し嫌なことあったけど、「ポイポイ」しとけばいいだけやし、それより一緒に遊ぼう。」という返事が返ってくるので、良い感じだなと思っています。
自我を持ち始めると同時に怖さや心配も大きくなってくることがありますが、早めにそういうものが出てきたのなら、良い機会だと思って早い時期に怖さや心配の扱い方を身に付けておくとジタバタする時間を長く過ごさなくて済むので、それはそれで良いなと思います。
自分のペースで良いので恐れや心配はちゃっちゃと片付けて、信頼や安心の中でまたあの頃の聡明な姿を見せてくれたらうれしいなと密かに思っています。
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