前回は、一生昼寝でも良い、をみてみました。
今回は、抱え込むのを止めた分だけ手伝える、をみてみます。
セッションの中では、色んなテーマのお話しを伺います。
こちらから根掘り葉掘り聞くことはないので、本人が抵抗なく話せる範囲で話して
もらっています。
ある程度具体的な所まで話していただいた方が全体像が見えやすくなるだろうなと
思う時には、「〜について聞いても大丈夫ですか?」とお尋ねするので、特に問題
がなければ更に詳しい話しを聞かせていただきます。
もちろん、話すことに抵抗がある時には、無理に話してもらう必要はありません。
無理なく話せる範囲で話してもらったところから手をつけていったり、あるいは具
体的なことはひとまず横に置いて、その時に感じていた感情やフィーリングを扱っ
ていく時にはそれ以上の話しの詳細は必要でなくなります。
普段はこんな感じで、初回のセッションを始めているのですが、年に1人か2人ぐ
らいはほとんど何も話してくれないということがあります。
1人ではどうして良いかわからなくなって、助けて欲しいとか、何とかして欲しい
という思いはあるようなのですが、具体的な話しは何も話せないというところで止
まってしまいます。
もちろん、誰にでも何でも話せるわけではないので、この人にはこういう話しはこ
れくらいまでなら話せる、これ以上は話しにくいというラインがあるでしょう。
また、内容でけではなく、相手との相性やうち解け具合なんかも関係してきます。
こういう仕事をしていると、出会ってから短い時間で信頼関係をつくっていくので、
普段だと誰にも話せないようなことを不思議と今日は話している自分にビックリし
ている、というような感想を頂くことも多いです。
そんな中でも年に1人か2人ぐらいは、60分のセッションの終盤にやっと少し話し
を始めてくれるという展開になることがあります。
この信頼して話しをしてくれるまでの時間をできるだけ短縮していくという点では、
これから更にスキルやあり方も含めて研鑽していこうと思うのと同時に、相手が許可
してくれるところまでしか入れないということを改めて確認する機会にもなります。
話せない時と言うのは、話すことで自分の不利益になる、不快になるという予測が
あるのでしょう。
非難されるのではないか、軽蔑されるのではないか、能力が低いと思われるのでは
ないかなどと感じ、それを避けたいと思う時には、話せないという状態になるのは
当然と言えば当然です。
聞き手としては、私はあなたを非難しませんよ、軽蔑しませんよ、能力が低いなん
て思いませんよ、というメッセージを言葉以外のチャンネルからも伝えて、それが
伝わって、この人には話しても大丈夫だと思ってもらった時に、話し始めてくれる
んだと思います。
逆にこちらの立場から見ると、できるだけ話してくれると話してくれた分だけ、何
かしらのサポートができる可能性が増えます。
日常生活でも、ちょっと声をかけてくれたら手伝えるのになと思えることがあります。
こちらから手伝いましょうか、という声をかける時には、相手にもプライドや警戒
心がありますから声のかけ方に工夫が必要かもしれません。
「大丈夫です」「自分でやれます」という返事が返ってくる時、本当にそう思って
いて、そういう返事をしているなら、全然問題はありません。
ただ、苦しそうに、きつそうに「大丈夫です」「自分でやれます」という返事が返
ってくる時には、「言ってくれれば手伝うのにな」と思いながらも、本人の選択は
尊重します。
セッションの中では、自分でやってみようと思う肯定的なチャレンジには余計な手
出しはしないで見守って、ちょっと心細いな、サポートして欲しいなという部分は
できる限り手伝うことにしています。
その前提として、その時に感じていることを率直に伝えてもらえるようなコミュニ
ケーションや関係づくりにも当然ながら心掛けています。
この「自分でやるところ」と「誰かに手伝ってもらうところ」のバランスがうまく
いっていることは大切だと思います。
このバランスがうまくいっていない時には、自分が感じているものを見ていけば、
どこかにきつさや重たさ、あるいは悶々としたものなんかが見つけられるでしょう。
それらのフィーリングを手放すと、バランスがよくなるでしょうし、またバランス
がよくなれば、それらのフィーリングもなくなっていきます。
自分で抱え込んでいる時には、周りは手伝えません。
自分で抱え込むのを止めたら、やっと周りが手伝えるようになります。
周りから声をかけられても反射的に拒絶したり、どこかでうれしく感じていながら
もうまく受け取れなかったり、うまく受け取れなかったことに更に罪悪感を感じた
りということもあります。
結局、本人が周りからのサポートを受け取る、受け入れるということを自分に許可
しないと、手伝いたくてもサポートしたくてもできないんです。
それだけ、本人の選択や意志はパワフルだということでもあります。
依存とは区別する必要がありますが、きつい時にはまずは、助けてもらうこと、サ
ポートを受け取ることを自分に許すことから始めると良いと思います。
そのサポートは、身近な家族や友人からやってくるか、まだ会ったことがない人か
らか、環境や状況の変化、神や仏、宇宙などからかわかりませんが、必要なものが
必要な時に受け取れるようになっていくと思います。
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